第614話ミステリアスで秘密主義の、ささいな思い

「戻ってこい。聞きたいことがある」

ソフィアは、バイロンがからかっているだけだと分かっていた。実際、彼が立ち去っていく足音も聞こえたわけではない。

それでも、エミリーに関する知らせを一つたりとも取りこぼしたくなくて、本当に出ていきそうな相手に向かって声を張った。

「ここにいる。君が出てくるか、俺を中に入れるか。そうしないと、どうやって話せっていうんだ?」

バイロンは笑いながら言った。

彼はソフィアのことをすっかり見抜いていた。

情に厚い。

それに少し頑固で、典型的なツンデレ。

どう扱えばいいか、彼には手に取るように分かっている。

案の定、ソフィアは情に流された。

扉を勢いよ...

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